2015-06-23

イップスについて ~後編~

皆さんこんばんは。

いいんちょのけりぃです。

今回は前回に引き続き、”イップス”についてのテニスにおける一考察、後編です。

さて、前回では僕が体験したイップスの具体的な症状を書きましたが、今回の後編では、その解決方法について書きたいと思います。

※これはあくまで僕の体験談ですので、人によって解決方法は違うかもしれません。
予めご了承下さい。


まず最初に、僕は今でも完全には治っていません。

先週土曜日のテニスでも女性へのボール出しを丁寧に心がけた結果、何度打ってもネットにひっかかってしまい、鳥肌が立ってしまうという体験を味わってしまいました。

現在も尚、不安を抱えている状況です。

今の僕の状況はと言うと、完全に負けグセがついてしまっています。

もちろんトーナメントでは高いレベルにエントリーしていますので、1勝すること自体難しいことだということも理解しています。

ただ、”負けてもいいから自分のプレイをしよう”、”負けてもいいから楽しもう”というスタンスではイップスから逃れられないことに気付きました。

もしあなたがトーナメントプレーヤーなら、とにかく何としてでも試合には勝ちにいく、という心構えを持つことから始めることをおススメします。

その上で、イップスに陥った時の状況を直視します。

僕の場合は、前編でも書いたとおり、試合前の相手とのラリーで発症してしまいましたので、その時の状況を思い出すことから始めました。

これから打ち合う、といった状況で、相手に向かってボールを出したつもりなのにとんでもない方向にボールが行ってしまう。

これは、自分で力を加えなければいけない動作なので、考える時間があるため、余計な力が入ってしまうのですね。

実際、相手が打った球が速い場合は、考える前に体が勝手に反応してくれるので割と簡単に打ち返せたりするわけです。
これが遅いボールや、自分で力を加えるような動作(球出し、サーブ)については、自分発信なので余計なことを考えてしまいます。


この段階ではまだ”リラックス”なんて考える必要はありません。


ここでまず1つ目。

1)球を出す練習をする。

イップスに陥った時のことを思い出して、その時に出来なかったことを小さなことでも良いので少しずつ解決していきます。

僕はこの球出し練習で効果的な方法を1つ見つけました。
これはどんなことでも応用できる方法なのですが、

ボールを打つ瞬間に”フーッ”と口で息を吐き出してみてください。
いいですか、”フッ”じゃありません、”フーッ”です。
ボールを最後まで見る必要もありません、”フーッ”に集中してみてください。








目指すところはリラックスなのですが、決して”リラックス”なんて考えないで下さい。
リラックスという言葉では、感じることがメインになってしまうので、この状況では”フーッ”と息を吐く、という具体的な案でリラックスにつなげていくわけです。


練習での球出しの時には必ずこのクセをつけるようにした結果、今年初めてのトーナメントの1回戦では、割とスムーズに球出しができたのです。

この段階で既にかなり緊張が解けてきたのを覚えています。


2つ目

2)遅いボールへの対応

試合前のウォームアップでラリーをする時って何か暗黙のルールのようなもので、本気ではなく、軽くスイングするようなイメージってないですか?

これが変に作用して、自分本来のスイングを忘れさせてしまうのだと思います。
ウォームアップの時も、試合の時のようにしっかりとスイングしましょう。
分かってますよ、これが難しいんですよね。
本気で打って、ネットにかけたらどうしよう、とんでもなくオーバーしてしまったらどうしよう。
こんなことを考えてしまいます。

だから”フーッ”です。
ラケットがボールに当たる瞬間に”フーッ”って言いましょう。
プロテニスプレーヤーが、打つ瞬間に大きな声を出してますよね、アレの”フーッ”版です。
”フーッ”って言う瞬間に、不思議と体の余計な力が抜けます。

これは特に遅いボールには効果的です。
相手の打ったボールが遅い時、球出しの時と同じように、自分で力を加えてあげないといいボールで返せませんよね?
力を加えようとすると変に考えたり、余計な力が入ってしまいます。
これを防ぐための”フーッ”です。

いいですか、”フーッ”だけに集中してみて下さい。
ラケットのスイング軌道や打点など、他の事は何も考えなくていいです。


とにかく、どんな小さなことでもいいので、成功事例を作ってしまえばいいのです。
1つ成功すればそれが自信となり、他のことにもいい影響を及ぼしてくれるはずです。


そして、僕にとってのこの”フーッ”は、
①相手の遅いサーブのリターン
②自らのサーブ
この2つにも応用できています。


3)ストレッチと体のウォームアップ(体温を上げておくこと)

これがとても大事なことであることを痛感しました。
試合前にあまり疲れたくないという理由で、試合会場に着いたら軽くストレッチをする程度で試合に臨んでいました。

これが良くなかったのだと思います。
ストレッチだけでは筋肉や関節の可動範囲が制限されてしまって、試合前の相手とのラリーでは体が動きにくくなります。

ただでさえ緊張して体が硬直気味なのに、加えて体が温まっていない状態では余計に体が動きませんよね。

なので、試合会場に行く前には、必ず試合と同じ動きでのウォームアップをしましょう。
要は、ミニラリー、ベースラインでのラリー、ボレー、オーバーヘッド、といった感じです。
(相手とのラリーを想定したウォームアップになります)



長々と書いてしまいましたが、これが全てと言うわけではありません。
人によってどのように考えれば良くなるのかは分からないからです。

さらに言うと、1つの試合で成功したとしても、次にどうなるかは分からないのです。
だから少しずつ積み上げていきましょう。



失敗した場面を直視


失敗した内容の中でどんな小さなことでもいいので成功事例を作る


それが自信となる


試合に勝利する


さらに自信となる



※試合には興味のないという方は、勝利を目指す必要はないかと思います。
トーナメントプレーヤーなら、”必ず勝つ”という意志を持って臨みましょう。


イップスに成らないのが1番ですが、なってしまったとしてもそれは情けないことではありません。
(と、今なら言えます。)


さぁ、頑張っていきましょー!!


2 件のコメント:

  1. すごく具体的で実践しやすい方法をありがとうございます!緊張する場面で一球一球に集中できる方法があることは本当に心強いですね。
    最近、テクニカルなことにとらわれて勝負にこだわる姿勢が足りていなかったことにも気づかされました。苦しいときこそ「勝ちたい!」じゃなくて「絶対に勝つ!」と自分を奮い立たせること、大切ですね。「勝つ勝つ勝つ…」って小声で唱えるようにしてたことを思い出しました。笑
    ありのままの、力強い記事をありがとうございます。がんばりましょう^^

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  2. Melissa.
    コメントどうも有り難うございます。
    確かに僕も同じように技術面を追いかけていた部分があって、そこに執着しすぎたことが招いた結果のような気もしています。
    バーナビーオープンのシングルも1回戦で負けてしまいましたが、次に繋がるようなゲームは多少出来たような気はしています。
    応援どうもありがとう!!

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